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2021.12.28

「すごい寝汗で眠れない…」その原因と対策

 

【第19回】「すごい寝汗で眠れない…」その原因と対策

 

睡眠中には誰しも汗をかいています。
発汗しながら深い睡眠に入っていくというプロセスがあるからです。
その量はコップ1杯分ほどですが、これは皮膚から自然に放出する霧のような汗。玉のような汗をダラダラかくわけではありません。

 

夜中にパジャマを着替えるほどの寝汗は中途覚醒を引き起こすので、対処する必要があります。
その原因は多岐に渡りますので、順に紹介します。

 

 

1.部屋の温度や寝具、パジャマが適切でない

 

夏に蒸し暑いのに冷房を使わなかったり、冬に寒くて布団をかけすぎたり、重ね着し過ぎると、大量に寝汗をかく原因になります。
とくにポリエステル系のモコモコしたパジャマは熱がこもりやすいので、しっかり汗を吸う綿100%のパジャマを着用しましょう。

 

 

2.お酒の飲み過ぎ

 

肝臓がアルコールを分解すると、尿や汗になって体の外に排出します。
また、アルコールで体温も上昇するので、寝汗をかきやすくなります。
お酒は適量を守り、就寝3時間前までに取るようにしましょう。

 

 

3.過剰なストレス

 

ストレスで自律神経のバランスが乱れると、寝汗をかきやすくなります。
汗腺は自律神経でコントロールされているからです。
運動や公園の散歩、ガーデニングなどで五感を刺激し、リフレッシュを心がけてください。

 

 

4.更年期障害

 

ホルモンバランスの乱れによって自律神経もバランスを乱し、寝汗や中途覚醒が起きやすくなります。
やはり運動や適度なリフレッシュが大切。
改善が見られなければ、更年期外来や女性は婦人科または女性外来を、男性は内科や泌尿器科を受診しましょう。

 

 

5.夜間低血糖

 

睡眠中に血糖値が急激に下がると、それを回復させようとしてアドレナリンやコルチゾールが一気に分泌されます。
その結果、交感神経が優位になって、寝汗をかくのです。
歯ぎしりや悪夢、起床時の頭痛がある場合は、夜間低血糖が疑われます。夕食の糖質は極力少なくしましょう。

 

 

6.その他の病気

 

寝汗を伴う病気には、睡眠時無呼吸症候群、結核、糖尿病、高血圧、胃食道逆流症、リンパ腫、白血病などがあります。
たかが寝汗と放置せず、医療機関を受診することをお勧めします。

 

 

最近、寝汗の相談を続けて受けたので、今回のテーマにしてみました。
寝汗で悩んでいる人は意外と多いのです。
しっかり対処して睡眠の質を高めていきましょう。

 

 


三橋 美穂(快眠セラピスト・睡眠環境プランナー)

寝具メーカーの研究開発部長を経て、2003年に独立。これまでに1万人以上の眠りの悩みを解決してきており、とくに枕は頭を触っただけで、どんな合う枕がわかるほど精通。全国での講演や執筆活動のほか、寝具や快眠グッズのプロデュース、ホテルの客室コーディネートなども手がける。主な著書に『眠トレ!ぐっすり眠ってすっきり目覚める66の新習慣』(三笠書房)ほか、日本語版を監修した『おやすみ、ロジャー 魔法のぐっすり絵本』(飛鳥新社)はシリーズ累計115万部を突破した。https://sleepeace.com/