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2023.01.09

快眠のひけつは食物繊維?!ぐっすり眠れる食べものとは

【第30回】快眠のひけつは食物繊維?!ぐっすり眠れる食べものとは

「食べもので睡眠の質を高めたい!」

そんなことを考えたことはありませんか? 
実際にテレビの睡眠特集で、夕食で摂るといい食材が紹介されることもあります。

食物の栄養成分の中には、睡眠に作用するものがあります。
エビやホタテに含まれるグリシンには体温を下げる働きがある、レタスに含まれるラクチュコピクリンはメラトニンに似た働きがあるなど、食材に含まれる成分にはさまざまな作用があります。

どれも間違いではありませんが、その成分だけで眠りに落ちるには、膨大な量を食べなければいけません。
たとえば、「ホットミルクを飲むとぐっすり眠れる」と聞いたことがあると思います。

これは牛乳に含まれるトリプトファンという成分が、睡眠ホルモンのメラトニンに体内で変化するという理由から言われるようになりました。

ただし、実際に眠れるほどの作用をもたらすためには、ドラム缶半分くらいの量を飲まなければなりません。
これではお腹を壊してしまいます。
そもそも食べたら眠ってしまうような食材が存在したら、危険だと思いませんか?

あくまでも健康的な食生活を第一に考えましょう。

おすすめは和食です。
脂質が少なく、食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富な和食は、世界を代表する健康食。
体が健康になることで、健やかな睡眠がとれるようになっていきます。
注目する成分として挙げるとしたら、「食物繊維」です。

夕食に食物繊維を多く摂取したときは、寝つきがよくなり、深い睡眠が増加したと報告されています。
食物繊維は食後の血糖値を安定させるので、睡眠の安定化につながったのだと考えられます。

逆に血糖値が乱れて夜間低血糖に陥ると、下がりすぎた血糖値を上げるために、アドレナリンやコルチゾールなど興奮系ホルモンの分泌が高まります。

そうなると睡眠は阻害され、熟睡感が得られません。
食物繊維は血糖値を安定させるだけでなく、脂肪の吸収を抑えたり、腸内環境を整える働きがあります。
夕食には食物繊維の多い野菜や海藻を積極的にとって、睡眠の質を高めましょう。

三橋 美穂(快眠セラピスト・睡眠環境プランナー)

寝具メーカーの研究開発部長を経て、2003年に独立。これまでに1万人以上の眠りの悩みを解決してきており、とくに枕は頭を触っただけで、どんな枕が合うかわかるほど精通。全国での講演や執筆活動のほか、寝具や快眠グッズのプロデュース、ホテルの客室コーディネートなども手がける。主な著書に『眠トレ!ぐっすり眠ってすっきり目覚める66の新習慣』(三笠書房)ほか、日本語版を監修した『おやすみ、ロジャー 魔法のぐっすり絵本』(飛鳥新社)は100万部を突破。https://sleepeace.com/