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2024.03.01

夜中のトイレを減らす方法

【第44回】夜中のトイレを減らす方法

シニア世代のお悩みに多いのが、夜中にトイレに起きること。朝まで続けて眠りたい!という相談を受けることがよくあります。

夜中にトイレに行くために起きる人は、加齢とともに増えていきます。
国立長寿医療研究センターの疫学調査で、60代で80%、80歳以上になるとほぼ全ての人が夜中にトイレに起きることがわかっています。まず、これは正常なことだと知りましょう。そして、以下の対策を試してみてください。

1.膀胱の柔軟性を保つ

加齢によって膀胱が硬くなると、尿を貯める量が減ってトイレが近くなります。筋肉の柔軟性を高めるためには温めることが効果的。まず、腹巻をして寝てみてください。
「筋弛緩法」という体操も頻尿の改善効果があることがわかっています。寝る前に行ってみましょう。
【動画でわかる筋弛緩法】 http://tinyurl.com/3ywe446t

2.寝る前に水分を摂りすぎない

寝る前にコップ1杯の水は多すぎます。過剰摂取して血液が薄まると、すぐに腎臓で尿が作られ、血液成分のバランスを保とうとします。入浴後に十分な水分補給をして、寝る前には口を潤す程度にしましょう。
水分のほか、お酒やカフェイン、カリウムにも利尿作用があるので、控えめにしましょう。

3.塩分を減らす

塩分の摂りすぎが過剰な水分摂取につながったり、高塩分の食事が自律神経の乱れを引き起こし、夜間頻尿の原因になると考えられています。日本人の1日あたりの平均塩分摂取量は、男性11g、女性9.3gですが、厚生労働省のガイドにある推奨塩分量は男性7.5g未満、女性6.5g未満、日本高血圧学会では6g未満、WHO(世界保健機関)では1日5g未満となっています。

4.暖かい寝室で眠る

産業医科大学などによる大規模調査でわかったことは、冬の寝室の温度を2.5℃以上高くすると、過活動膀胱の有病率が約4割減るということ。起床時の室温が低いと、年齢が高くなるほど高血圧のリスクが高くなることもわかりました。真冬でも寝室の温度は18℃以上に保つようにしましょう。

◎トイレに起きてしまった場合の対策

すぐに再入眠できるように、照明は控えめにしましょう。廊下やトイレの照明を明るく点けると脳が覚醒して眠れなくなってしまうからです。フットライトや懐中電灯など、最小限の灯りにするよう心がけてください。


三橋 美穂(快眠セラピスト・睡眠環境プランナー)

寝具メーカーの研究開発部長を経て、2003年に独立。これまでに1万人以上の眠りの悩みを解決してきており、とくに枕は頭を触っただけで、どんな枕が合うかわかるほど精通。全国での講演や執筆活動のほか、寝具や快眠グッズのプロデュース、ホテルの客室コーディネートなども手がける。著書に『眠りのさじ加減 65歳からのやさしい睡眠法』(青志社)ほか、日本語版を監修した『おやすみ、ロジャー 魔法のぐっすり絵本』(飛鳥新社)は100万部を突破。https://sleepeace.com/