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2024.01.05

子どもの成長に睡眠は何時間必要か?

【第42回】子どもの成長に睡眠は何時間必要か?

先日、厚生労働省から発表された「健康づくりのための睡眠ガイド2023」で年齢別の推奨睡眠時間が発表されました。


・小学生 9~12時間
・中高生 8~10時間



最適な睡眠時間に個人差はありますが、この長さにSNS上では悲鳴が上がっていました。
今どきの小学生は、高学年になると6時間というケースもあります。中高生で8時間以上寝ている生徒はわずかでしょう。


子どもの脳と身体を育てるのは睡眠です。
睡眠不足になると、記憶を司る脳の海馬が小さくなることがわかっています。


楽器の演奏やスポーツ、自転車の乗り方など「体で覚えた記憶(手続き記憶)」も、年号や出来事など「頭で覚えた記憶(宣言的記憶)」も、睡眠中に定着します。つまり、運動能力や学習能力は睡眠によって向上するのです。


コロナ禍の自粛期間中に身長が伸びた高校生が多いという報告もあり、これは睡眠時間が長くなったことと関係していると思います。骨や筋肉の発育を促す成長ホルモンは、睡眠中に分泌されるからです。しっかり睡眠をとれば、10代後半になっても身長が伸びる可能性があるのです。


だからといって、そのまま放っておいては、さらに悪化してしまします。睡眠にわるい習慣を避けて、よい習慣を取り入れていくことが大切です。また、十分な睡眠をとると気持ちに余裕が生まれるので、思いやりのある行動がとれ、人にやさしくなります。人の魅力を最大限に発揮するカギは、睡眠にあるのです。

スタディプラス社が実施した「受験勉強、進路に関する調査」で、受験勉強や試験に没頭するコツの結果はこうでした。
①	睡眠をとる ・・・ 46.9%
②	ゲームやSNSの誘惑を断つ ・・・ 46.8%
③	空腹にならないようにする ・・・ 26.3%
①と②がほぼ同じ割合なのは、相関しているからだと思います。
ゲームやSNSの誘惑を断つことで、睡眠時間を確保することができ、記憶が整理・定着し、脳がリフレッシュ。翌日も勉強に集中することができます。

逆に、朝起きられない、朝食欲がない、授業に集中できない、やる気がでないのは、睡眠が足りないのかもしれません。必要な睡眠を最優先にして生活してみてください。

夢を叶える土台は睡眠です。
ぐっすり眠って、本来の能力を引き出しましょう。

三橋 美穂(快眠セラピスト・睡眠環境プランナー)

寝具メーカーの研究開発部長を経て、2003年に独立。これまでに1万人以上の眠りの悩みを解決してきており、とくに枕は頭を触っただけで、どんな枕が合うかわかるほど精通。全国での講演や執筆活動のほか、寝具や快眠グッズのプロデュース、ホテルの客室コーディネートなども手がける。著書に『眠りのさじ加減 65歳からのやさしい睡眠法』(青志社)ほか、日本語版を監修した『おやすみ、ロジャー 魔法のぐっすり絵本』(飛鳥新社)は100万部を突破。https://sleepeace.com/